診療グループ紹介

心理発達グループ

チーフあいさつ

チーフ

大橋 圭

名古屋市立大学
病院助教

名古屋市立大学小児科は、日本で最も古くから発達の診療を行ってきた小児科のひとつです。これまでは、発達障害(神経発達症)児の診療を主に行ってきましたが、近年では診療に加え、研究や専門医の育成に取り組んでいます。

現在、大学病院では大橋圭(病院助教)、今枝正行(非常勤医師:名古屋市北部地域療育センター所長)、福原里美(非常勤医師:里童こころと育ちのクリニック院長)、武内温子(非常勤医師:名古屋市立大学医学部附属病院東部医療センター)、滝藤明日香(臨床研究医)が診療を行っています。加えて、名古屋市立大学小児科では療育センターや関連病院を含め、多くの先生が神経発達症(発達障害)や心身症の診療を行っています。

臨床・教育

名古屋市立大学小児科心理発達グループは、1965年(昭和40年)に齋藤久子先生が始めた発達や習癖の問題などの“病気以外の子どもの問題”を扱う外来、その後のNICUに入院歴のある児や先天代謝異常時のフォローアップ外来に起源し、日本で最も古くから発達の診療を行ってきた小児科の外来の一つです。その伝統は主に発達障害を診療する石川道子先生、主に心身症を診療する井口敏之先生に引き継がれ、現在まで続いています。名古屋市立大学小児科の医局には、名古屋市や愛知県を中心とする東海地方の療育センター・総合病院・クリニック等で、発達障害や心身症などの子ども発達や心理的な問題を診療している医師が多く在籍しています。

子どもの精神疾患・神経発達症(発達障害)・心身症・不登校・虐待など、子どもの心の問題をサブスペシャリティとする小児科医・精神科医を対象として、2015年に日本小児精神神経学会・日本小児心身医学会・日本児童青年精神医学会・日本思春期青年期精神医学会の4学会共同で『子どものこころ専門医』が創設されました。2022年度から研修制度が開始され、名古屋市立大学小児科を基幹施設、関連病院・療育センター等を連携施設として、幼児期〜児童期〜思春期の診療経験が積むことが可能な研修施設群を形成しています。

名古屋市立大学病院小児科心理発達外来では、毎週火・木曜日に外来診療を行っています。医師及び心理士が互いに連携しながら下記の疾患・障害を中心に診療に従事しています。受診される方々のお話を十分に把握し、お答えしていくために、診療時間が長くなることもありますが、スタッフの熱意と皆様のご理解によって支えられています。

主な疾患

自閉スペクトラム症(ASD:自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害など)

対人相互反応、意思伝達の発達の質的な障害と限局的な興味集中や反復的な常同行動を主な特徴とする発達特性です。

注意欠陥多動症(AD/HD)

発達年齢に相応しない不注意、多動性(落ち着きのなさ)、衝動性を主な特徴とする発達特性です。

知的発達症

全般的な知的発達に遅れを認める発達特性です。

限局性学習症(SLD)

発達年齢に相応しない、読字・書字・算数のいずれかにおいて特異的な困難さが認められる発達特性です。

研究

心理発達外来でのフォローアップ児の縦断的調査や横断的調査、症例報告など臨床に根づいた研究・論文は以前より多くありました。一方で、心理発達を研究テーマとして大学院に進学し研究する小児科医は永らくいませんでした。しかし、最近、水野賀史医師が福井大学子どものこころの発達研究センターにて発達障害児の脳画像研究を行って学位を取得、その後はStanford大学に留学、現在は福井大学子どものこころの発達研究センターの准教授として赴任しています。また、大橋圭医師が名古屋市立大学新生児・小児医学分野にて齋藤伸治教授の指導のもと、発達障害児の遺伝学的解析を行い、学位を取得しました。ともに実際の発達障害児を対象とした研究を行っており、今後も研究者である一方で“臨床医”として目の前の患者さんの診療に役立てられる研究を継続していきたいと考えています。

主な研究業績

  1. Kawaoka N, Ohashi K, Fukuhara S, Miyachi T, Asai T, Imaeda M, Saitoh S. Impact of school closures due to COVID‑19 on children with neurodevelopmental disorders in Japan. J Autism Dev Disord. 2022;52:2149-55.
  2. Ohashi K, Fukuhara S, Miyachi T, Asai T, Imaeda M, Goto M, Kurokawa Y, Anzai T, Tsurusaki Y, Miyake N, Matsumoto N, Yamagata T, Saitoh S. Comprehensive genetic analysis of non-syndromic autism spectrum disorder in clinical settings. J Autism Dev Disord. 2021;51:4655-62.
  3. Mizuno Y, Kagitani-Shimono K, Jung M, Makita K, Takiguchi S, Fujisawa TX, Tachibana M, Nakanishi M, Mohri I, Taniike M, Tomoda A. Structural brain abnormalities in children and adolescents with comorbid autism spectrum disorder and attention-deficit/hyperactivity disorder. Translational Psychiatry. 2019;9:332.
  4. Mizuno Y, Jung M, Fujisawa TX, Takiguchi S, Shimada K, Saito DN, Kosaka H, Tomoda A. Catechol-O-methyltransferase polymorphism is associated with the cortico-cerebellar functional connectivity of executive function in children with attention-deficit/hyperactivity disorder. Sci Rep 2017;7:4850.
  5. Ohashi K, Mizuno Y, Miyachi T, Asai T, Imaeda M, Saitoh S. Concordance of classifications using DSM-5 and DSM-IV-TR criteria for autism spectrum disorder. Pediatr Int. 2015;57:1097-100.

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