サブスペシャルティへの道
内分泌グループ
名古屋市立大学 助教
青山 幸平
はじめに
小児内分泌領域では、後述する専門医の認定において、以下の7項目≪①間脳下垂体疾患と成長障害、②甲状腺疾患、③副甲状腺疾患及びカルシウム代謝異常、④副腎疾患、⑤性腺疾患(性腺機能異常症/原発性・続発性含む)、⑥糖尿病(膵関連疾患含む)、⑦脂質異常症又は肥満症≫の診療経験が求められています。このような幅広い小児内分泌疾患を網羅的に研修するためには、症例数が確保されやすい小児科系認定教育施設での研修が理想的です。しかし、内分泌代謝科(小児科)指導医が常勤していない内科系認定教育施設においても、内科系教育責任者の指導の下に一定の条件を満たせば、内分泌代謝科(小児科)専門医の取得は可能となっています。
対象となる専門医(認定医)制度
(2023年4月現在)
内分泌代謝科(小児科)専門医(日本内分泌学会)
主な条件
- 継続3年以上または通算5年以上、日本内分泌学会の会員であること
- 申請時において、小児科専門医として認められている者
- 小児科専門医資格の研修期間を含めた研修期間を6年以上(初期研修含む)とし、そのうち申請時までに3年以上、日本内分泌学会認定教育施設において内分泌代謝科指導医の指導の下で内分泌代謝疾患の診療に従事している者
- 内分泌代謝疾患の臨床に関する学会発表、または論文発表が5編以上あり、少なくとも2編は筆頭者であること
資格取得への道
(最短での取得期間:卒後7年)
小児内分泌疾患は入院よりも外来の方が、より多くの診療経験を積む場となります。また成長障害を診るためには、短期間では成長の経過が十分に追えないため、少なくとも数年以上の期間、同一施設での継続した外来診療をすることが望まれます。そのような環境が得られるように、以下の施設の指導医と相談し、研修を受けることが必要となります。
専門医取得可能な所属施設
以下は内分泌代謝科(小児科)指導医が常勤している日本内分泌学会認定教育施設
- あいち小児保健医療総合センター 内分泌代謝科
- 名古屋市立大学医学部附属西部医療センター 小児科
- 名古屋市立大学病院 小児科
その後の活躍
内分泌代謝科(小児科)専門医の数は小児内分泌疾患の患者数から考えるとまだ少なく、より多くの内分泌代謝科(小児科)専門医が求められている状況です。地域の中核病院においても内分泌代謝科(小児科)専門医が不在である施設は少なくありません。小児内分泌疾患に興味のある若手の先生方は是非お声がけください。