救急・集中治療グループ
臨床・教育
臨床
あいち小児保健医療総合センターでは、小児救命救急センターの一員として、内科系・外科系急性疾患や怪我の初期対応、病院間搬送(ECMO搬送や航空機搬送も含む)、集中治療に対応しています。東部医療センター救命救急センターでは、成人を含むたくさんの患者さんの中から、重篤な状況に陥ったこどもたちに十分な対応をするとともに、こどもたちの心理や権利に十分に配慮した医療を提供するための環境整備に取り組んでいます。医局の枠を超え、さまざまな方々と協力して診療に当たっています。
教育
グループ主催の勉強会を定期的に開催しています。また、実際に小児を専門とする救急医・集中治療医を目指す方には、個人の希望に応じて国内施設と連携し個別カリキュラムをご提案するなどキャリア相談に適宜応じています。詳細は「サブスペシャリティへの道」を参照してください。
システム構築
愛知県の小児救急医療体制や災害医療体制構築に関する会議、救急救命士の再教育などに招聘され、県内のシステムの構築・維持に寄与しています。全国規模の小児救急、災害医療に関する研修(講師、研修開催、研修体制の構築)や医療体制構築に関する会議への関与が多いことも当グループの特徴です。具体的には、災害派遣医療チーム(DMAT)に関する様々な研修や災害訓練、小児周産期リエゾン養成研修、日本小児科学会小児診療初期対応コース、日本小児救急医学会「小児・周産期医療従事者向け災害医療研修会」などの企画運営や講師として参画しています。また厚生労働科研(「大規模災害時における地域連携を踏まえた更なる災害医療体制強化に関する研究」など)にも関与し、日本における小児周産期領域の救急・災害易医療体制構築のための取り組みのなかで中心的な役割を果たしています。
研究
現在は新生児グループの先生がたと協力し、災害時にNICUから患児を避難させる際のトリアージを開発(文部科研)しています。また、日本災害医学会学会主導研究助成をうけ、エッセンシャルワーカーに関する災害時の育児支援の現状に関する調査もおこなっています。とかく経験論になりがちな災害医療において、理論的な裏付けを提供できるよう、様々な研究に取り組んでいます。
また、日常の診療であった症例からの学びを積極的に症例報告し、学びの共有をはかることで、救急・集中治療全体での経験知を上げていきたいと考えています。
主な研究業績
- Imai K, Aoyama K, Goto T, Kitaori T, Iguchi T, Sasano H, Hattori T, Sugiura-Ogasawara M, Saitoh S. Hematocolpos due to lower vaginal agenesis in an adolescent girl. Acute Med Surg 2023;10:e832.
- Ito T. The challenge of timely and safe sedation in pediatric emergency settings. Pediatr Int 2022;64:e14902.
- Imai K, Suzuki T, Fukaya S, Karasawa Y, Bando Y, Sawaki D, Araki Y, Saitoh S, Iwata O. A new quantitative triage system for hospitalized neonates to assist with decisions of hospital evacuation priorities. Prehosp Disaster Med. 2022;37:343-9.
- Ide K, Uematsu S, Hayano S, Hagiwara Y, Tetsuhara K, Ito T, Nakazawa T, Sekine I, Mikami M, Kobayashi T. Validation of the PECARN head trauma prediction rules in Japan: A multicenter prospective study. Am J Emerg Med 2020;38:1599-603.