川崎病の急性期対応

関連病院の先生方

川崎病の急性期対応につきまして

関連病院の先生方には平素より大変お世話になり、また多くの患者様をご紹介いただき御
礼申し上げます。この度は当グループより川崎病の急性期対応についてご提案をさせてい
ただきます。
ご存知の通り、川崎病の急性期治療は近年新たな選択肢が増えその成績は向上しています
。一方で、いわゆる免疫グロブリン不応例に対してどの治療法を選択すべきかにつきまし
てはガイドラインにおいても統一された見解に乏しく、施設ごとのご経験に基づかれて治
療をして頂いているのが現状かと考えます。当院にご紹介いただく際にも治療選択やご紹
介のタイミングについて迷われることがあると伺っております。
そこで当グループより急性期治療の案をまとめさせて頂きました。名古屋第二赤十字病院
または当院にご紹介いただく際のご参考にしていただければ幸いです。これはあくまでも
案であり施設ごとに使いやすい薬剤があると思いますが、あくまでも強調させていただき
たいのは第9病日までの治療奏功を目指すこと、可能な限りステロイド投与を避けること
の2点です。
個々の症例において対応が異なると思われますのでご判断に迷われるときはこれまで通り
ご相談いただきたく存じます。
まずは大まかな方針を共有させて頂いた上で、将来的には共同研究につなげられればと考
えています。
ご意見またはご質問等がございましたらお気軽にお問い合わせください。最後になりまし
たが今後とも宜しくお願い致します。

問い合せ先
名古屋市立大学 小児科 循環器グループ
令和3年3月1日

 
名古屋市立大学病院における川崎病の急性期対応

1 st line 免疫グロブリン療法(IVIG)(2g/㎏/回、点滴静注)

アスピリン療法(30~50mg/kg/日、経口投与)

2 nd line IVIG (2g/㎏/回)

3 rd line インフリキシマブ(IFX)(5mg/kg、点滴静注)

4 th line 血漿交換:当院もしくは名古屋第二赤十字病院に転院

 第9病日までの治療奏功を目標とするため、可能であればIVIGは効果判定の早さから5%製剤よりも10%製剤が推奨されます。

 ステロイドおよびステロイドパルスについては、IVIG・ステロイド併用例のなかに「くすぶり型」と呼ばれる微熱や軽度CRP上昇が続いてしまう症例が散見されるため原則として使用しない方針です。

 第9病日までの奏功を目指すため、血漿交換までいくかもしれないグロブリン不応例では第7、8病日の3rd line治療を行うタイミングでご相談ください。治療開始が遅れて3rd line治療の効果判定を待てずに第9病日になりそうな症例については適宜ご相談ください。

 IFX投与前にはHBs抗原、HBs抗体、HCV抗体検査を実施することが推奨されています。IVIG投与前の血液検体で行ってください。また結核感染を除外するため、ていねいな問診と画像検査をIFX投与前に実施することが推奨されています。当院ではIFX投与例は全例で胸部単純CT撮影を行っています。

 IFXが使用しにくい症例の場合、シクロスポリン(5mg/kg/日、5日間経口投与)の使用も有用と考えます。

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2021年名市大小児科学術奨励賞

2021年の受賞者は下記4名の先生方でした.

・近藤 優人 先生(市立四日市病院)
De novo 2q36.3q37.1 deletion encompassing TRIP12 and NPPC yields distinct phenotypes.
Human Genome Variation, 1;7:19, 2020

・武田 理沙 先生 (名古屋市立大学)
A case of infantile acute lymphoblastic leukemia with bilateral intraocular relapse.
NAGOYA MEDICAL JOURNAL, vol.56, 221-227, 2020

・鈴木 智子 先生 (名古屋市立大学)
A Novel α-Spectrin Pathogenic Variant in Trans to α-Spectrin LELY Causing Neonatal Jaundice with Hemolytic Anemia from Hereditary Pyropoikilocytosis Coexisting with Gilbert Syndrome.
J Pediatr Hematol Oncol. 43(2):e250-e254, 2020

・岡村 淳 先生(一宮市立市民病院)
Three infants with megaloblastic anemia caused by maternal vitamin B12 deficiency.
Pediatr Int.62(7):864-865, 2020

各先生方,おめでとうございます。
次回も奮ってのご応募お待ちしています。

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Zoomを使った卒後研修説明会2021 ご案内

緊急告知!
将来,小児科医の道を考えている医学生、および初期・後期研修医の皆さん
卒後研修の説明会を開催します.
Zoomを使った説明会は,ご自宅からでもご視聴可能です.
ぜひご参加下さい!
☆Zoom会議案内希望の方はこちらまで!
戸川貴夫(医局長) t.togawa@med.nagoya-cu.ac.jp

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心理・発達グループ

  1. メンバー(2021年4月現在)

大橋 圭(病院助教)、今枝 正行(非常勤医師:名古屋市北部地域療育センター所長)、浅井朋子(非常勤医師:名古屋市発達障害者支援センターりんくす名古屋所長)、福原里美(非常勤医師:里童こころと育ちのクリニック院長)

  1. 臨床・教育

名古屋市立大学小児科心理発達グループは、1965年(昭和40年)に斎藤久子先生が始めた発達や習癖の問題などの“病気以外の子どもの問題”を扱う外来、その後のNICUに入院歴のある児や先天代謝異常時のフォローアップ外来に起源し、日本で最も古くから発達の診療を行ってきた小児科の外来の一つです。その伝統は主に発達障害を診療する石川道子先生、主に心身症を診療する井口敏之先生に引き継がれ、現在まで続いています。名古屋市立大学小児科の医局には、名古屋市や愛知県を中心とする東海地方の療育センター・総合病院・クリニック等で、発達障害や心身症などの子ども発達や心理的な問題を診療している医師が多く在籍しています。

子どもの精神疾患・神経発達症(発達障害)・心身症・不登校・虐待など、子どもの心の問題をサブスペシャリティとする小児科医・精神科医を対象として、2015年に日本小児精神神経学会・日本小児心身医学会・日本児童青年精神医学会・日本思春期青年期精神医学会の4学会共同で『子どものこころ専門医』が創設されました。現在は暫定制度で運用されていますが、2022年度から本格的な研修制度が開始される予定です。名古屋市立大学小児科においても、関連病院・療育センター等と連携して、幼児期〜児童期〜思春期の診療経験が積むことが可能な体制を整えていきます。

名古屋市立大学病院小児科心理発達外来では、毎週火曜日に外来診療を行っています。医師及び心理士が互いに連携しながら下記の疾患・障害を中心に診療に従事しています。受診される方々のお話を十分に把握し、お答えしていくために、診療時間が長くなることもありますが、スタッフの熱意と皆様のご理解によって支えられています。集団療育・リハビリ等は当院では行えないため、必要に応じて療育センター等へご紹介させていただきます。

  • 自閉スペクトラム症(ASD:自閉症、アスペルガー障害、広汎性発達障害など)

対人相互反応、意思伝達の発達の質的な障害と限局的な興味集中や反復的な常同行動を主な特徴とする発達特性です。

  • 注意欠陥多動症(AD/HD)

発達年齢に相応しない不注意、多動性(落ち着きのなさ)、衝動性を主な特徴とする発達特性です。

  • 知的発達症

全般的な知的発達に遅れを認める発達特性です。

  • 限局性学習症(LD)

発達年齢に相応しない、読字・書字・算数のいずれかにおいて特異的な困難さが認められる発達特性です。

  1. 研究

心理発達外来でのフォローアップ児の縦断的調査や横断的調査、症例報告など臨床に根づいた研究・論文は以前より多くありました。一方で、心理発達を研究テーマとして大学院に進学し研究する小児科医は永らくいませんでした。しかし、最近、水野賀史医師が福井大学子どものこころの発達研究センターにて発達障害児の脳画像研究を行って学位を取得、その後はStanford大学に留学しています。また、大橋圭医師が名古屋市立大学新生児・小児医学分野にて齋藤伸治教授の指導のもと、発達障害児の遺伝学的解析を行い、学位を取得しました。ともに実際の発達障害児を対象とした研究を行っており、今後も研究者である一方で“臨床医”として目の前の患者さんの診療に役立てられる研究を継続していきたいと考えています。

4.近年の研究業績

Ohashi K, et al. Comprehensive Genetic Analysis of Non-syndromic Autism Spectrum Disorder in Clinical Settings. J Autism Dev Disord. in press

Mizuno Y, et al. Structural brain abnormalities in children and adolescents with comorbid autism spectrum disorder and attention-deficit/hyperactivity disorder. Translational Psychiatry. 2019; 9(1): 332.

Mizuno Y, et al. Catechol-O-methyltransferase polymorphism is associated with the cortico-cerebellar functional connectivity of executive function in children with attention-deficit/hyperactivity disorder. Sci Rep 2017; 7(1): 4850.

Ohashi K, et al. Concordance of classifications using DSM-5 and DSM-IV-TR criteria for autism spectrum disorder: Autism Spectrum Disorder in DSM-5 and DSM-IV-TR. Pediatr Int. 2015; 57(6): 1097-1100.

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アレルギーグループについて

1. メンバー(2021年4月現在)

野村孝泰(助教)、中岡晃子(大学院生)、尾関和芳(研究員)、谷田寿志(研究員)、神岡直美(研究員)

2. 臨床・教育

臨床:多くの先生が携わってくださっていますが、地域連携や勉強会により、少しでもグループでのサポートができればと考えています。病院が重症例の受け皿になることが当然ですが、集談会などで発表した西部医療センターの「アトピー性皮膚炎教育入院」、聖霊病院の「直接入院食物経口負荷試験」は、地域のアレルギー診療をサポートする一歩進んだ形かと思います。2020年に開催を予定した関連病院の医師を広く対象とした「名市大小児アレルギーセミナー」が残念ながら一旦中止となっていますが、地域のアレルギー診療をサポートし議論する重要な会として企画しましたので、引き続き開催の時期を探っていこうと思います。

教育:基礎研究、専門医取得、一般小児科医としてのアレルギー領域の修練、医学部学生やコメディカルの教育など、様々な点での教育活動があるかと思います。我々はそれらに対して様々なアプローチを行っており、定例の「アレルギー勉強会」、年に1回の「コメディカル対象の勉強会」、新型コロナウイルスの影響で一旦中止となりましたが「名市大小児アレルギセミナー」などを活動基盤としてグループで具体的に取り組んでいます。2020年より「アレルギー勉強会」は、多くの先生が参加できるようにオンライン会議化しています。

社会貢献:名古屋市のトワイライトスクールの食物アレルギー対応について、初期の会議から携わり、現在も引き続き定期的なエピペン講習会を担当しています。また、愛知県の主催するアレルギー研修会での講師、小牧市民病院の救急救命士と連携したアナフィラキシー対応のロールプレイ、東三河を中心とした学校や園を対象とするエピペン講習会など、行政や地域と関わるなかで、社会貢献を継続して行っています。

 3. 研究

研究:可能であれば基礎研究まで幅を広げて研究活動を行うことが大学の使命かと思います。幸いにも野村の海外留学の経験をもとに、動物実験を行う一定の研究資金を得ましたので、これから継続的に研究活動ができるよう努めていきます。また、臨床活動に近いところで行われる研究活動に、グループとしてまとまって取り組んでいます。これまでに多施設で行われる経口負荷試験について共通データベースを用いることで解析し(論文報告)、最近ではダニ舌下免疫療法の導入時のリスク因子についてグループとして解析を行ったところです(論文報告)。どのような世界なのか触れてみないとわからないところがありますので、少しでも興味があればぜひ声をかけてください。

 4. 獲得研究費 (2021年4月時点)

野村孝泰

・”レプチンに注目した肥満によるアトピー型喘息発症の免疫機序の解明”(文部科学省科学研究費 若手)

・”胃食道逆流に注目した牛乳アレルギーモデルマウスの免疫機序の解明” (公益財団法人日本ハム食の未来財団 個人研究助成)

尾関和芳

・”肺胞マクロファージに注目したウイルス感染症による気管支喘息の発症促進機序の解明”(文部科学省科学研究費 基盤C)

5. 近年の研究業績

1. Tanida H, Nomura T, Kondo Y, Hirabayashi Y, Wakatsuki J, Saitoh S. House Dust Mite SLIT-tablet is Well Tolerated in Pediatric Patients with Controlled Asthma. Asian Pac J Allergy Immunol. (in press)

2. 金原亜紀,谷田寿志.食物経口負荷試験における薬剤師介入の試み.日本小児臨床アレルギー学会誌 2019;17:19-23.

3. 井口世里楠, 藤木理代, 谷田寿志, 他. 外食を楽しくする「アレルギーっこの外食マップ」の作成. 日本小児臨床アレルギー学会誌 2019;17:28-31.

4.原田さつき, 谷田寿志.  東海北陸地方の乳児院栄養士と食物アレルギー児対応の現状と問題点. 日本小児臨床アレルギー学会誌 2018;16:363-366.

5. Kamioka N, Nomura T, Tanida H, et al. Probability curves for predicting symptom severity during an oral food challenge with wheat. Allergol Int 2017;66:627–8.

6. Nomura T, Suzuki M, Yokota M, et al. Effect of Japanese cedar-specific sublingual immunotherapy on allergen-specific TH2 cell counts in blood. Ann Allergy Asthma Immunol 2016;117:72-8.

7. Yoneyama M, Nomura T, Tanida H, et al. Probability curves for predicting symptom severity during oral food challenge with milk. Ann Allergy Asthma Immunol 2015;115:251–3.

8. 野村孝泰,神田康司,加藤泰輔,他.共通プロトコルを用いた食物経口負荷試験ネットワークの構築.日本小児アレルギー学会誌 2015;29:260-9.

9. Nomura T, Kanda Y, Kato T, et al. Probability curves focusing on symptom severity during an oral food challenge. Ann Allergy Asthma Immunol 2014;112:556–7.e2.

10. Nomura T, Tsuge I, Inuo C, et al. Effect of Japanese cedar specific immunotherapy on allergen-specific TH2 cells in peripheral blood. Ann Allergy Asthma Immunol 2013;110:380-5.

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