腎臓(腎臓専門医/腎移植専門医/移植認定医/日本透析学会専門医)

あいち小児保健医療総合センター 腎臓科 医長 田中一樹
あいち小児保健医療総合センター 腎臓科 科長 藤田直也

1 はじめに
 あなたは将来どのような小児科医になりたいでしょうか?
 理想の小児科医になるためにはどうしたらよいでしょうか?
 名市大小児科では各専門グループがあなたの夢の実現をサポートします!
 その中で小児腎臓グループにはどのような特色があるかを紹介させていただきます。

 小児腎臓診療では身近な学校検尿から、緊急透析や腎移植など高度な医療まで幅広く対象にします。また瞬時に判断を要する急性期から、じっくり病態を把握し原因検索を行う慢性期まで幅広く診療を行います。
 腎疾患の診療を通して病理組織など基礎医学的な学習もできます。全身を診るという視点で毎日の腎疾患の臨床に取り組めば小児科ジェネラリストとしての力や幅を広げることも可能です。慢性腎不全やネフローゼ症候群では、水電解質・酸塩基平衡などの短期的な管理だけでなく、生涯にわたってその人の人生をサポートしていくことも重要です。夜尿症や尿路感染症などのcommon diseaseから希少な遺伝性疾患まで幅広く診療を行います。病気で困っている子供たちだけでなく、親御さんの悩みを聞いてあげるのも、もちろん我々小児腎臓科の仕事です。
 尿路感染などの感染症では抗菌薬、ネフローゼや腎炎の治療ではステロイドや免疫抑制剤の他に生物学的製剤など、腎不全では降圧薬や利尿薬など、数多くの薬剤の使用を学んで熟達することが出来ます。また日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院とあいち小児保健医療総合センターは全国的にも数少ない小児の腎移植を実施可能な施設であり移植医療に携わることも可能です。また小児腎臓病グループの上村治先生を中心に腎臓グループ以外の小児科の先生方と名古屋小児臨床研究塾:PRiNCE (Pediatric Research group in Nagoya City, Epoch-making initiative)という臨床研究について学ぶ勉強会も年4回行っており臨床研究、論文執筆にも積極的に取り組んでいます。
 腎臓グループは急性期・慢性期疾患を診たい先生も、専門性を極めたい先生もジェネラリストを目指す先生も、開業を視野に入れている先生も将来教授になりたいという先生も誰でもウェルカムです。
 ここではさらに小児腎臓科医が取得する専門医・認定医についてとその資格を手っ取り早く取得する方法を教えます!
 小児科の中で腎臓をサブスペシャリティとする小児腎臓科医は専門医として主に日本腎臓学会が定めた腎臓専門医を取得します。腎臓専門医は、全国で5,777人、愛知県は365人(2021年5月26日時点)、愛知県で小児科を基本領域としている腎臓専門医は20人(2020年7月30日時点)となっているのでとっても貴重な存在です。

2 対象となる専門医(認定医)制度(2022年5月現在)
A.腎臓専門医(日本腎臓学会)
B.腎移植専門医(日本臨床腎移植学会)
C.移植認定医(日本移植学会)
D.日本透析医学会専門医(日本透析医学会)

3 主な条件
A.腎臓専門医
・日本腎臓病学会の会員歴3年以上であり、かつ日本小児科専門医資格取得後1年以上であること
 例)2022(R4)年度試験を受ける場合は2020年3月31日までに入会かつ2021(R3)年度までに小児科学会専門医取得者が対象
 年会費 13,000円、入会金 2,000円
・日本腎臓学会が指定する研修施設において研修を3年以上行っていること。
 ※初期研修2年は含まない。

4 資格取得への道(最短での取得期間:卒後9年)
A.腎臓専門医(最短での取得期間:卒後7年)
 初期研修後は後述する専門医取得可能な研修施設で後期研修行い卒後6年目に小児科専門医取得、卒後7年目で研修施設に所属しており腎臓の研修をしていれば卒後7年目に腎臓日本腎臓学会専門医が取得できます。以下が流れです。

5 専門医取得可能な所属施設
A.腎臓専門医
 日本腎臓学会認定教育施設 708施設、愛知県は42施設(2021年10月20日時点)https://jsn.or.jp/jsninfo/about/facilities/参照
 名古屋市立大学病院、名古屋市立大学医学部附属西部医療センター、名古屋市立大学医学部附属東部医療センター、日本赤十字社愛知医療センター名古屋第二病院、豊橋市民病院,あいち小児保健医療総合センターなど

6 その後の活躍
 名古屋市立大学小児腎臓病グループはNCKiDs(Nagoya City Kidney Disease Study Group)という腎疾患及び尿路疾患の病因、病態、治療の発展、知識の普及等に寄与することを目的としたグループを発足しており、治療プロコール作成や研究を積極的に行っています。このグループに参加しているメンバーは医局員と関連施設しで研修した非医局員とあわせて約30名以上にのぼります。また年2回、小児児腎疾患談話会(PMP+):http://nckids.kenkyuukai.jp/special/index.asp?id=30553という症例報告や治療プロトコールを作成し発表する勉強会を開催しています。
 研修病院としてはあいち小児保健医療総合センターを中心に担っており、愛知県だけではなく東海地区の小児腎臓病医療の中核として、小児の慢性腎臓病、難治性のネフローゼ症候群や腎炎、小児泌尿器科と連携して先天性尿路疾患など多くの疾患・症例の診療を行っています。あいち小児保健医療総合センター腎臓科フェローとしては毎年2名程度のフェロー(常勤嘱託医)を受け入れており期間は原則2年ですが腎臓期専門医の取得に必要な症例経験や技術は十分に経験可能な内容です。フェロー期間はほとんど腎臓疾患患児の診療をすることになりますが、腎臓疾患は他臓器疾患との関連や合併症があることが多く、全身を診る小児科医としての成長も期待できると考えています。
 これを読んで小児腎臓に興味を持った人もそうでない人もぜひ一緒に小児腎臓やりましょう!実際あいち小児センターに他科の見学に来て腎臓にはあまり興味はなかったけど試しに腎臓科フェローしてみたらって誘ったら2年間で一人前の小児腎臓科医になった先輩医師もいますよ!

7 参考ホームページ
・日本腎臓学会(https://jsn.or.jp/
・日本小児腎臓病学会(http://www.jspn.jp/
・日本小児腎不全学会(http://www.jsprf.jp/
・日本臨床腎移植学会(https://www.jscrt.jp/
・日本移植学会(http://www.asas.or.jp/jst/
・日本透析医学会(https://www.jsdt.or.jp/
・NCKiDs(http://nckids.kenkyuukai.jp/special/?id=36442

何かご不明な点、質問、症例相談などありましたらnckids.aichi@gmail.comまでご連絡下さい。

[記事公開日]2022/06/12
[最終更新日]2022/06/20